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| 彼岸花とアゲハ 根には毒があると言われる彼岸花ですが、 花蜜には毒はないんですね |
9月28日付け朝日新聞の記事によると、高市早苗首相は22日の国連総会の一般討論演説で「(旧敵国条項は)早急に削除されるべきだ。70年間にわたり、国連の取り組みに大きく貢献してきた日本の誇りと名誉にかけて強く申し上げる」と演説したとのこと。
朝日新聞社の小木雄太氏は、その記事を懸念論調で書いています…つまり、中国の「新型軍国主義」だとの日本非難に利用される恐れがあるということです。
まずは、旧敵国条項が規定されている国際連合憲章の成り立ちから始めて、旧敵国条項とその現状について簡単にまとめ、日本の置かれている現状と日本国民が抱く幻想に触れてみます。
国際連合憲章の生い立ちと陰
「国際連合(United Nations:連合国)」という名称は、第二次世界大戦中にアメリカのフランクリン・D・ルーズベルト大統領が考え出したもので、その言葉が最初に使われたのは、26カ国の政府代表が枢軸国(主にドイツ・イタリア・日本)に対して共に戦うと誓った1942年1月1日の「連合国宣言(Declaration by United Nations)」の中でした。
その後、中国、ソビエト連邦、イギリス、アメリカの代表が1944年にワシントンD.C.で行った審議に続き、翌年の1945年、50カ国の代表は、サン・フランシスコで開かれた「国際機関に関する連合国会議(United Nations Conference on International Organization)」に出席し、「戦争の惨害」を終わらせるとの強い決意のもとに国際連合憲章(Charter of the United Nations)を起草し、1945年6月26日に署名しました。
サン・フランシスコ会議に招かれていなかったポーランドは、その後、1945年10月15日に署名しました。そのため、国連の原加盟国は合計51か国(現在の加盟国は193か国)となります。同年10月24日に憲章が発効しました。(ポーランドが遅れた理由は面白いですのでネットで調べてみてください)
国際連合は中国、フランス、ソビエト連邦、イギリス、アメリカおよびその他の署名国の過半数が批准したことを受けて1945年10月24日に正式に設立され、本部はニューヨークに置かれました。
これらの憲章と連合は、あくまでも第二次世界大戦の戦勝国を主体とするものであり、その実態は、各国が拒否権を持ち実際の権力を掌握する常任理事国の構成(米国、イギリス、旧ソ連、フランス、中国)に反映されています。
旧敵条項と国際社会の認識
さて、国連憲章内の旧敵国条項とは主に第53条と第107条を指します。その内容と推移は次の通りです。-
第53条(地域的取極)
本来、地域的な安全保障組織(例:NATOなど)が武力制裁を行うには、国連安保理の許可が必要です。しかし、「第二次世界大戦中の敵国」が再び侵略政策をとろうとした場合に限っては、安保理の許可がなくても直接軍事行動をとってよいという例外が定められています。
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第107条(敵国に関する行動)
第二次世界大戦中、またはその直後に、連合国(勝戦国)が敵国に対して行った制裁や取り決めについて、国連憲章の規定を理由に無効にしたり排除したりしてはならないと定めています。
「敵国」の国名は国連憲章の中では明記されていませんが、「日本、ドイツ、イタリアなど」の旧枢軸国が該当します。
しかし、かつての枢軸国は戦後、国連の主要な一員として国際社会に貢献してきており、これらの条項が実際に適用されたことはありません。
現在では、これらが適用される法的実効性はないというのが、国際法学者や各国政府に共通する公式見解であり、これらの条項は実際には死文化(形骸化)しているというのが国際社会の認識と言えます。
旧敵国条項を削除することの国連総会における決議は2度行われています。
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1995年の国連総会決議(第50/52号)
同条項は「時代遅れ(obsolete)」であるとの認識が圧倒的多数(賛成155、反対0、棄権3。中国も賛成)で採択され、将来的な削除に向けた作業が合意された。
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2005年の国連首脳会合
国連憲章から「敵国」への言及を完全に削除するとの決意が、加盟国首脳の全会一致(コンセンサス)による国連総会決議として採択されました。
つまり、国連の総会レベルでは、全ての常任理事国も含み、削除合意がなされているわけです。
それでも何故削除されないのか!?
削除するための法案が成立するためには、全加盟国の三分の二以上で批准され、かつ、すべての常任理事国で批准されなければなりません。いざとなると大変厄介な作業となります。何故なら、各国の政府はトップを中心とした一枚岩とは決して言えないからです。つまり、ある国の首脳が国連総会で合意したとしても、その合意内容が自動的にその政府によって批准されるとは限らないということです。
それだけでもスムースに進まないのにも拘わらず、さらに厄介な内容の決議案(法案)が2005年に提出されたのです。
国連憲章改正には膨大なエネルギーを必要とするため、日本、ドイツ、ブラジル、インドの4か国は2005年に「旧敵国条項の削除」と同時に、長年の悲願である「安全保障理事会の改革(常任理事国の枠を増やすこと)」をセットにした包括的な国連憲章改正を実現しようとしたわけです。
ブラジルは、南米大陸を代表する地位にあることを主張し、インドは大国としての正当な地位の要求です。勿論、日本もドイツも常任理事国の地位に就きたいと思っています。
従って、1か国よりは地域を跨いだ複数国で要求する方が効果的と考えたということです。
しかし、結果として、その決議案(法案)は周辺国やアフリカ諸国との利害対立が激化し、全加盟国の三分の二以上の賛成を得られる見通しが立たなくなり、採択にも至らずに廃案になってしまいました。
更に、必要とされる全常任理事国の賛成を、日本、ドイツの場合は得られそうにありません。最近の例では、国連総会(2026年9月)の演説で、ロシアのラブロフ外相は「ウクライナを支援し軍国主義化している日本とドイツの常任理事国入りには絶対に反対する」と述べる一方で、「インドとブラジルは常任理事国として適任であり支持する」と表明し、G4の切り崩しを図るような動きを見せています。
国際社会の認識ではと言いましても、最近では、中国やロシアは旧敵国条項を示唆して日本を威嚇するような発言もしています。
日本が抱きたい幻想
国際社会の理解と支持を得るために国際連合を最大限支持し活用することが日本にとって最良の方法であると考えている人が多いと思います。至極まともな考え方と言えそうで、かつ、それ以外の方法が見当たらないとも言えそうです。しかし、国際社会の理解と支持を得たとしても、日本に戦う力がなければどうにもなりません…他力本願というわけにはまいりませんので…戦う力がないから、国連を活用するということなのでしょうが。
常任理事国の各国は拒否権を持っていますので、常任理事国の1か国が決議案に反対する場合、その決議案は可決されないことになります。
戦う力とは、常任理事国に同意させる、日本を理解し支持させる力です。この力を養わない限りは、いつまでも国連に幻想を抱き続けることになります。

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