お米 |
酒 米(酒造好適米)
皆さんご存知のように、日本酒(清酒)は、普通、山田錦に代表されるような酒米(酒造好適米)という種類のお米から麹(こうじ)と酵母を用いて醸造されます。何故、一般の食用米は不適切と考えられたのかと申しますと、お米に含まれる脂質とタンパク質が食用米には多く含まれ、それらが酒本来の味を損ない、雑味を生じさせてしまうからと言われています。
特に、すっきりした飲み心地というような感覚が失われるようですね。
心 白(しんぱく)
酒米は大粒で、たんぱく質や脂質の含有量が低く、中心部に「心白」と呼ばれるデンプン質の白い部分があり、その部分が日本酒醸造の主要な原料となります。食用米は、その主要な心白が小さすぎるというわけです。
デンプン質の心白は、ポーラス(多孔質体)になっており、麹が粒の中まで浸透して効率的に糖化(糖分に変化)し易いという性質ももっているそうです。
その後、その糖分(ブドウ糖)に酵母を加えて発酵させたものが日本酒となってゆくわけですね。
米粒が削られる
その心白に出来るだけ近づく=脂質、タンパク質、無機質、ビタミンなどの成分を少なくするために、酒米の粒は削られてゆきます…タンパク質はアミノ酸に分解され酒の味の主成分になりますが、多すぎると、くどい味になってしまうそうです。削られた米粒 |
食用米からの日本酒に挑戦
宮城県が挑戦をリード
それでも物好きはいるもので、宮城県の酒造組合の全蔵元が難易度の高い食用米を使って清酒を造る技術の研究開発を1986年に宣言しているようです…具体的には“ササニシキ”100%の純米酒…後に、“ひとめぼれ”も用いた。実際に、宮城県は2016年と2017年の全国新酒鑑評会で2年連続金賞受賞率No.1に輝くなど、国内屈指の酒造技術を誇っており、酒造好適米(酒米)に負けないレベルの旨酒が食用米でも造れることを証明しているそうです。
この宮城の活躍が各地の蔵元にもやる気を起こさせ、今では酒米も凌ぐ美酒が造りだされているそうです。
食用米しか使わない蔵元も登場
代表的なところでは、京都府最北部の京丹後市で240年以上も続く『白木久』の蔵元・白杉酒造なんだそうです。丹後は、“コシヒカリ”の特A地区に認定される程の産地で、地元の美味しいお米で旨い酒を造りたいと考えた当主が、自ら杜氏となって研究開発をなさったそうです。
そして“コシヒカリ”100%の新生『白木久』が地元で大評判となり、手応えを感じた当主は、2015年から原料の米を全て食用米にすることを決断なさったとのこと。
“コシヒカリ”、“ゆめおばこ”、“つや姫”による受賞
以下は、主だった受賞酒です。- 魚沼産“コシヒカリ”(新潟)
菊水酒造の純米大吟醸『蔵光』
「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」で金賞’14
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で最高金賞’18 - 千葉県産“コシヒカリ”
吉野酒造の『腰古井 純米吟醸こしひかり』
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」2年連続’17&’18金賞 - 秋田県産“ゆめおばこ”
両関酒造の『両関純米酒』
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」最高金賞’16と金賞’18 - 山形県産“つや姫”
東の麓酒造の純米吟醸酒『つや姫なんどでも』
「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」2度’16&’18に最高金賞を獲得
後藤酒造店の『辯天 特別純米酒つや姫』
「IWC」で金賞’16、「全米日本酒鑑評会」で準グランプリ’17
実際に飲んでみました
純米酒『つや姫』
頂いたのは、山形県の後藤酒造による純米酒『つや姫』です。
720ml(4合)瓶入りで1,540円でした…高いという値段ではありませんね。
味わってみて…
香りはちょっとフルーティーな感じかなというところですね…(この表現はいただけませんね…でも、本当にそう感じてしまう程です(^-^;)かなり甘口で、飲み心地にはスッキリ感がありませんので、あるいは、食用米からなるが故なのかもしれませんね…有体に申しますと、悪酔いしそうで、呑み助の方にはどうかな?という感じでしょうか。
間違いなく美味しいですよ…でも、時間を掛けて楽しむには、ちょっと重たすぎるかも…
食前酒に似通っているかもしれませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿