マンション管理組合における情報公開について

10/06/2025

日常 部屋

京成バラ園に咲くピンクのバラ
京成バラ園に咲くバラ
形は崩れても、ちょっと艶めかしい

情報公開は必要か

マンションの理事会が管理組合全員に公開する情報をコントロールし、真実の情報であっても混乱を招く可能性のある情報は公開しないとすることは、一般的に正しくないと考えます。
国土交通省が公表している「マンション標準管理規約」では、議事録や会計帳簿など、重要な文書について、組合員の請求があれば閲覧させる義務が定められています。これは、情報公開が管理組合の基本的な責務であるという考え方に基づいています。
これまでのマンション管理に関する紛争の判例や、弁護士、マンション管理士などの専門家の間では、管理組合の運営情報は公開されるべきだという見解が主流と言われています。
情報非公開がもたらす不信感やトラブルの方が、情報公開による一時的な混乱よりも大きな問題になると考えられているからです。

透明性と説明責任の欠如

マンションの管理組合の運営は、透明性と説明責任が非常に重要だと考えます。すべての組合員が管理組合の活動や財政状況に関する情報を知る権利と、質問する権利を持つべきです。特定の情報を意図的に隠したり、選別したりすることは、この透明性を損ない、組合員の理事会に対する信頼を失わせる可能性があります

情報の非対称性と不信感

情報が一部にしか開示されない場合、情報を持つ者と持たない者の間に情報の非対称性が生まれます。これにより、組合員は理事会の決定プロセスや情報開示の基準に対して不信感を抱くようになります。特に、修繕工事や財政問題など、組合員の生活や資産に直接影響を与える重要な事項について情報が隠蔽されていると疑われると、深刻な対立に発展する可能性もあります。

混乱の定義の主観性

「組合員を混乱させる可能性のある情報」という基準は、非常に主観的で曖昧です。何が「混乱」と見なされるかは、情報をコントロールしたい側の意図によって恣意的に解釈される危険性があります。例えば、不都合な情報や批判を招く可能性のある情報を「混乱を招く」として排除する口実に使われる可能性があります。

公開すべきではない情報

個人の氏名や連絡先

管理費の滞納者

個人の氏名や部屋番号を特定できる情報

苦情の申立人

苦情やトラブルに関する情報は、内容を匿名化して共有する。申立人の氏名や部屋番号を公開すると、報復や人間関係の悪化につながる可能性がある。

病気や健康上の理由

組合員やその家族の健康に関する情報は、極めて個人的な情報であり、絶対に公開してはならないと言われます。

業者に関する機密性の高い契約情報

業者との交渉過程

複数の業者から相見積もりを取っている段階で、各業者の提案内容や金額を公開すると、交渉が不利になる可能性があります。最終的な契約内容が決定し、総会で承認を得た後に公開するのが一般的。

情報公開の原則

健全なマンション管理組合の運営には、理事会と組合員間の相互信頼が不可欠で、この信頼を築くためには、すべての情報を公平かつ透明に公開することが原則と言われます。
管理組合の運営に関する情報は、組合員全員がマンションの管理状況を理解し、適切な意思決定を行うために必要です。
したがって、一部の人間にとって不利益な情報であっても、管理組合全体の利益に関わるものであれば、丁寧な説明とともに公開されるべきです。

例えば、大規模修繕工事の金額や理事会の議事録などは、一時的に組合員を動揺させたり、反発を招いたりすることがあるかもしれません。
しかし、こうした情報はマンションの資産価値や安全に関わる重要な真実であり、それを理解した上で、すべての組合員の利益につながる判断をする必要があります。

「混乱を招く」という理由で重要な情報を隠蔽すると、組合員の不信感を生み、後々のトラブルの火種になりかねません。必要な情報はすべて公開し、その上で組合員が納得できるように丁寧に説明することが、健全なマンション運営には不可欠です。

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