山茶花 |
ナイキが日本語で公開したPR動画、日本での人種差別を具体的に表現した“The Future isn't waiting"がネットを騒然とさせているそうですが、ナイキは企図した思惑通りの反応を得て、歓喜で小躍りでもしたい気分でしょうね。
ナイキは市場で飽和状態とも言えそうなブランドですので、在り来たりのPRではナイキのイメージを活性化するようなインパクトはないのでしょう。
そこで、PR制作チームが考えついたテーマが人種差別問題なんでしょうが、それを欧米でやっても陳腐でインパクトは皆無に近いと、誰しもが考えます。
しかし、それを、人種差別問題が無さそうに見えて、無いわけではない日本で、実は人種差別があるんですよと訴えるようなPRにすれば、インパクトは非常に大きいと踏んだわけです。
しかも、日本のネガティブ・インパクトが市場に与える影響は大きくはないと判断したのでしょう。
例えば、中国の大きな人権問題をナイキがPRで訴えたとするなら、大きな不買運動という無視できないネガティブ・インパクトをナイキは諸に受けるでしょうから、それは考えたくないでしょうね。
今回のインパクトは、ナイキのPR制作チームが日本の隠れた利用価値を掘り出した成果と言えますでしょう。
そのチームに、日本での人種差別問題は相対的に大きくはないと訴えたところで詮無いことです。
何故なら、彼らは善悪とか正義とかの観点からPRを制作している訳ではないからです。
因みに、差別に関しては、人種だけではなく、性、年齢、労働などのように様々な問題があります。
例えば、労働差別がなかったら、ナイキはボロ儲けできなかったでしょうね。
労働差別とは、同じ価値を生む労働の対価に、場所によって、労働者によって大きな差があることです。
グローバル企業は低い方が正当な対価なんだと主張するのかもしれませんが…私はそうは思いません。
今回のインパクトに関して、世に言う有識者たちは大人しくしていた方が恥をかかなくて済むかもしれませんね(^^;)
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