スバル XV Advanceの考察

10/20/2018

スバル六連星

XVハイブリッドのニューモデル

 ADVANCE

スバルがXVにハイブリッドのニューモデルを投入しました。
“Advance”いうモデル名です。

考察という程の内容ではないかもしれませんが、私なりに、このニューモデルの性質を考えてみました。

【ご参考】
★ スバルXV e-Boxer試乗の感想

スバルXV Advance

 エンジン+モーター

XVは、自然吸気方式の2L(2000CC)エンジンです。
それに、駆動モーターを搭載したのがハイブリッドと言われるXV Advanceです。

スバルでは、そのハイブリッド・システムの電動技術(モーター)を“e-Boxer”と名付けています。

XVは、自動車の種類でSUVに属します。
【ご参考】
★ S U V (Sport Utility Vehicle)

XVのハイブリッドAdvance
スバルXVの新型ハイブリッド車Advance

スバルのハイブリッド

忘れたころにやってきたとも言えそうなスバルのハイブリッドは、プリウスに代表されるトヨタの本格的なハイブリッドとは異なり、電動アシスト付き自転車の範疇と揶揄されそうな代物です。

しかし、スバルは、立場を弁えているかのような工夫をしてきているようです。

 搭載されたモーター(e-Boxer)

出力が、
  •     馬力:13.6ps、
  •     トルク:6.6㎏f・m
という、非力なモーターですね。

オートバイに例えますと、面白いことに
  •     馬力は150CCクラス
  •     トルクは750CCクラス
と大きく異なります。

トルクを単純な足し算で考えますと、
エンジンのトルクは
19.2kgf・m/4000rpm
ですので、合計トルクは
19.2+6.6= 25.8kgf・m/4000rpm
となります。

このトルクは、エンジンだけのXVの1.29倍で、2.5Lのエンジンのトルクよりも少しだけ大きいですね。

馬力の方はどうかと言いますと、エンジンは、145psですので、単純加算しますと、145+13.6=158.6psとなります。

この馬力の数字は、エンジンだけのXVの1.03倍ですが、普通の2Lエンジンの範囲内ですね。

バッテリーはリチウムイオンになり、モーターだけでの走行距離数が伸びたそうですが、非力なモーターですので…
意味が有るのか無いのか…疑問ですね。

 燃 費

燃費は、ハイブリッドではないXVがJC08モードで16㎞/lですが、それより20%改善された19.2㎞/lとなっています。

しかし、最近は、リッター30㎞を超えるハイブリッド車が増えてきていますのでかなり見劣りしますよね。

そこで、スバルが言い始めたのが…
スバルのハイブリッドは、燃費よりも走行性能向上に役立ってます…
という苦し紛れの売り文句です。

 走行性能

【ご参考】
★ スバルXV e-Boxer試乗の感想

1.一般道


その走行性能の向上は、既存のXVとの比較になります。

ハイブリッドのAdvanceが有利になる範囲は、モーターがアシストする時速80㎞までです。
それ以上の速度になりますと、エンジンだけでの走行となります。

つまり、ハイブリッドは、山道も含めた一般道だけでの勝負となります…まあ、首都高速を含めても良いでしょうが。

街中や一般道をキビキビ走ろうとしますと中・低速トルクが大きい車の方が有利ですよね。(但し、ガソリン・エンジンの場合)

その観点だけからしますと、Advanceの走りの方が既存のXVよりも、かなり良いと言えますが…

しかし、加速の程度を判断する場合に使われるパワーウエイトレシオ(車両重量を馬力で割った値)を考慮しますと、車両重量が110㎏軽いXVモデルの20i-Sは9.35kg/psで、Advanceは9.77kg/psとなり、数字の上では既存のXVの加速度の方が高いということになります。

この厄介な数字上の対立に結論を出すのがモーターの性質です。

エンジンの最高出力は、回転数(rpm)に依存します。

XVの2Lエンジンの場合は、
  • 最高馬力:6000rpm
  • 最高トルク:4000rpm
となっています。

つまり、それらのエンジン回転数より高くても低くても、馬力・トルクが落ちることになります。

ところが、モーターのトルクの場合は、
回転数ではなく、電流(アンペア)に依存しますので、Advanceのモーターは、アクセルを踏み始めた時から6.6㎏f・mの最大トルクを出すことが出来るのです…
(セッティング上で出そうとすれば、というお話ですが…)

6.6㎏f・mのトルクは、重量が235㎏前後のナナハン(750CCのバイク)を力強く駆動するだけの能力をもってます。

更に、1トルク当たりの車両重量は、
20i-S:72kg
Advance:60㎏
と、馬力の場合とは逆になります。

従って、走り出しから、モーターがアシストする速度80㎞/hまでは、Advanceの方が既存のXVよりもキビキビ走れるということになります。

2.高速道路


時速100㎞前後で走る場合は、Advanceもエンジンだけでの力で走行することになり事情が異なってきます。

ハイブリッドではない既存のXV20i-Sの2Lエンジンは、馬力もトルクもAdvanceを若干上回っています。

そして、20i-Sの車両重量がAdvanceよりも110㎏軽いのです。

従って、モーターアシストの無い走行ではハイブリッドではない20i-Sの方が、より力強く走行できることになります。

また、燃費も同様に、20i-Sの方が有利となります。

XV Advanceを好む方

XV自体が総合評価の非常に高い車です。
内外のライバル車と比較した特集記事も出てますが、総合評価は、並み居る有名処を抑えて、XVがトップです。

それ故に、わざわざ、電動アシスト付き自転車のレベルと揶揄されそうな、XVのハイブリッド車を買う必要があるのか…
思い悩むところでもあります。

ハイブリッドにするか否かを悩む方は、兎に角、XVが好きだという人たちでしょうね。

燃費を選択肢とする方は、他の30㎞/l以上の燃費の車を候補にして、XV Advanceには、触手を伸ばさないでしょう。

XVが欲しい方で、一般道を走行する場合が多く、且つ、駅への送り迎えやチョイ乗りが平日毎日のようにあるという方には、XV Advanceをお勧めできます。

街中や一般道で、リニアな加速感を楽しみたいという方も、Advanceに適度な満足感を覚えることでしょう。

山道を走り回るのが好きだという方にも、お勧めできます。

Advanceを買ってはいけない方は、年に何回も、高速道路を使用した長距離ドライブをする方ですね。

スバルのハイブリッドの難点

これは、スバルのディーラーに聞いたことですが、バッテリーの保証期間が明確ではないようです…未だ、情報不足だけなのかもしれませんが…

バッテリーの寿命が来て交換となりますと20万円ぐらい掛かるそうですので、厄介ですよね。

因みに、トヨタでは、ハイブリッドのバッテリーは10年保証を謳っているようです。
更に、2年間の追加保証もあるそうですので、オーナーは安心ですね。

もしも、スバルがハイブリッドのバッテリー保証期間を10年未満とするなら、Advanceに購買意欲が湧かなくなる可能性は小さくないでしょうね。


PS.
2019年2月中旬にスバルのディーラーに確認したところ、e-Boxer用のリチウムバッテリーの保証は5年間だそうです。
さて、どうなりますか…

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