どんな組織でも長い歳月と共に腐敗する

6/24/2020

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アヤメ
アヤメ

映画「Spotlight」

先日、映画「スポットライト 世紀のスクープ(Spotlight)」を観ました…

2015年に放映された米国の犯罪ドラマですが、その内容は日刊紙ボストン・グローブの報道に基づくもので、ボストンとその周辺地域に蔓延していたカトリック司祭による性的虐待事件に関する報道の顛末を描くという重たいお話ですね。

長い歴史を持つカトリック教会の組織と地域社会に直接関係する大きな社会問題を取り上げた内容なのですが、私が気に入っている配役の所為か、暗くて重すぎる雰囲気にはならずに、割と軽快に観れましたね(^^♪

(以下の写真はクリック拡大でご覧下さい)

映画スポットライトの一場面で、マイケル・キートンとレイチェル・マクアダムスが対策を練っている
マイケル・キートン(チーム長)と
レイチェル・マクアダムス(記者)が
対策を練っている場面

 あらすじ

2001年、ボストンの日刊紙『ボストン・グローブ』の新編集長は、米国の新聞社の調査報道班として最も長い歴史を持つ少数精鋭取材チーム「スポットライト」に神父による子供への性的虐待事件を調査して記事にするよう持ちかける。

チームは、何度も異動させられた一人の神父を追っているうちに、次第にマサチューセッツ州のカトリック教会が性的虐待事件を隠蔽するパターンに気づく。

カトリック教会と深い繋がりを持つ地域社会の協力が得られず、チームは様々な障害・妨害にあう。
それでも、虐待の被害者のネットワークがあり、チームはその代表者に会って、より詳細な内容が分かってくる。

統計的には90人程度の神父が性的虐待を行っているはずだと言う指摘を受け、病休、あるいは、移動させられた神父を追跡して87人のリストを作る。

調査が佳境に差し掛かる頃、9.11テロが起き、チームの調査はしばし棚上げされたが、枢機卿が虐待事件を知りながら無視したという公的な証拠の存在をつかみ、チームは活気づく。
枢機卿(すうききょう):
カトリック教会における教皇の最高顧問であり、重要な案件で教皇を直接に補佐する「枢機卿団」を構成する。
チーム長は、カトリック教会の組織的な犯罪行為を徹底的に暴くために記事の公開を遅らせて、より多くの証拠を公開するよう求めた裁判に勝ち、2002年にようやく記事を公開し始める。

記事公開の直前、チーム長は、1993年に性的虐待を行った20人の神父のリストを虐待の被害者のネットワークから受け取りながら調査をしなかったことを告白する。
だが、新編集長は、チームが犯罪を暴いたことを称賛し、問題にしない。

翌日、チームは、公開された記事によって解放された多くの犠牲者から告白の電話を受け始める。

ボストン大司教区での性的虐待被害者は1,000人以上にも上り、249人の神父と修道士が告発された。
しかし、ボストン大司教を辞任した枢機卿は、ローマのカトリック教会最高位の教会に栄転した。

その後、合衆国および世界中の都市で聖職者による性的虐待のスキャンダルが明るみに出た。

聖職者による性的虐待が起きた米国の都市
聖職者による性的虐待が起きた米国の都市
聖職者による性的虐待が起きた米国の都市2
聖職者による性的虐待が起きた米国の都市2
聖職者による性的虐待が起きた他の国々の都市
聖職者による性的虐待が起きた他の国々の都市
聖職者による性的虐待が起きた他の国々の都市2
聖職者による性的虐待が起きた他の国々の都市2

このような巨大な組織による組織ぐるみの犯罪には、告発することの難しさと自己浄化も期待できないという暗黒の世界を感じさせられてしまいます。

どんな組織でも長い歳月と共に腐敗する

この命題にご興味のある方で、未だご覧になっておられない方には、是非、観て頂きたい映画ですね。

 検事長の賭けマージャン問題にも当て嵌まる

黒川元検事長の問題を処理した検察庁にも当て嵌まります…検察庁内で彼だけが賭けマージャンをやっていたなんて、到底信じられません。

処罰も公務員が内規に反した場合に受ける「訓告」なのですが、賭けマージャンは、基本的に刑事罰の対象であり、公務員の内規だけで処理される問題ではない筈です。

賭博罪が適用されるか否かには、その常習性や金額の大小などが関わり、司法の判断になるのでしょうが、昔から、賭けマージャンをやっている検察官は少なくないのでしょうから、黒川元検事長だけを告発するということは内部的に出来ないのでしょうね。

例えば、格闘技のプロが他人を傷つけた場合には、そうではない一般の人がやった場合より罪が重くなります。
同様に、国家権力の座にある人が法律に違反した場合には、そうではない一般の人が違反した場合よりも罪は重くなる筈なのです…これが法の下において「実質的な平等」となります。

 何故、組織は腐敗してゆくのでしょうか

それは、組織の支配層が自分達の既得権を末永く享受するためにより都合の良い規則・判断(価値)基準を作ってゆき、彼らが組織内で切磋琢磨することなく保身に走れる状態に組織をしてゆくからです。

そのような組織の中では、被支配層の人々が支配層に移ることは大変難しくなり、そのような努力に対して大きな抵抗を受けるようになります。

大中小の色々な組織を見てますと、成程と納得できる例が沢山あると思います。
政権党と霞が関の官僚の背任とも言える私腹を肥やすような無体な行為の報道に接していましても、腐敗極まれりと思わされてしまいます。

極端な例には、グローバル・スタンダードと呼ばれるものがあります。
これは、今までの世界覇権国である米国の価値基準に基づくものです…つまり、米国が覇権を維持し易い判断基準なわけです。

米国の支配層がその価値基準を押し付けた典型的な例として、米国が勝手な判断でイラクを壊滅させたことが挙げられます。

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