会話だけで進んではいるが、そのうちに変化が、盛り上がりが出てくるだろうと思いながら観てましたが、最後の最後まで会話だけの映画でしたね…しかも、主人公二人だけの会話です。
そのような構成だという解説があれば、観始めなかったでしょうね…自分にとっては面白い筈がないと思ったでしょうから…
ストーリー自体は、珍しくもない、陳腐とさえ言えそうな内容ですが、二人の会話のやり取りが機知にとんでいるといいますか、非常にテンポ良く会話が進んでゆき、二人の心の流れが途切れないのです。
感動も何もない映画ですが、観始めますと、二人の、特別な展開もない会話から離れられなくなりますね。
1時間21分の会話だけの映画を最後まで観てしまいましたから、凄い映画を作ったもんだと感心してしまいました。
それは、『ビフォア・サンセット』(Before Sunset)という、2004年のアメリカ映画です。
監督はリチャード・リンクレイターで、主演は、イーサン・ホークとジュリー・デルピーの二人です。
これは三部作の一つで、初めは1995年の『恋人までの距離』(Before Sunrise)で、最後は2013年の『ビフォア・ミッドナイト』(Before Midnight)とのことです。
このリチャード・リンクレイターという監督に関して、更に、驚いたことは、2014年に公開された『6才のボクが、大人になるまで』(原題: Boyhood)という映画です。
ボクの役の子役が、実際に大人になるまでの12年間に亘って断続的に撮影された映画なのだそうです。
映画撮影のスケールが大き過ぎますよね…だって、子役だけではなく、最初に役に付いてスタートした俳優たちが12年間も無事でいられるという保証はどこにもないのですから。
それを敢行したこと自体が凄いです。
大自然をキャンバスに描いて、その美を表現する(認識させる)ように、なが~い時間の流れを、映画という短時間の流れで表現するという、正に、芸術の基本的な手法ですが、それを未来に歩む実体験に適用するとは、驚きですよね。
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