中共中央・国務院が
『調和(和諧)のとれた労働環境(関係?)の構築に関する意見』
を4月8日(?)に公布したそうです。
それによりますと、中国では、表現が異なってはおりますが、労使関係及び労働環境において、相変わらず、農工民に対する給与不払などによる労働者の利益が毀損される状態が
蔓延しており、ストライキなどの集団での事件も発生している状況下では、調和のとれた労働環境を構築することは大変難しいということのようです。
「4つの労働者の権利」を実現させる必要があると言っています。
- 労働報酬を受ける権利
未払い賃金保証制度の模索…制度による賃金保証
(上海では既に「欠薪保証金」として保護されています…と思います)
. - 休息休暇を受ける権利
これも労働合同法で規定されている筈ですので、
順守されているか否かの問題のように思われます…
勿論、休憩時間や休暇日数が多い少ないの問題はあるでしょうが。
例えば、上海のある証券会社のセールス員は、
一日400件の勧誘電話を掛けることが目標になっていると、
最近、社員の方から聞いたことがあります。
労働時間は、12時―13時の昼食休憩を除く、
9時から18時までの8時間です。
単純計算しますと、トイレにゆく時間も除かずに、
1分間で1件程度の電話をしなければ目標達成はできません。
その社員の方は金曜日に300件の電話をしたそうです。
まるで、振り込め詐欺のような印象をもってしまいました(-_-;)
. - 労働安全衛生保護の権利
十年以上も前のお話ですが、中央政府の方針で、
地方から働きに都会や工場地帯に出てきていた労働者たちを
企業が2・3年を超えて維持することが出来なかった時代があったようです。
つまり…ある程度お金が稼げたでしょう、そろそろ故郷に帰って、
都会で働くのは他の方と交代して下さいという方針だったようです。
これでは熟練労働者は育たないと企業が嘆いていた時代です。
安全衛生の環境を整備することは大変重要なことです…
工場から出てくる製品にも直接影響する労働環境です。
同様に、自らが過ちを犯してしまう可能性の高い
未熟な労働者たちを抱えることのリスクも、
充分に考慮する必要がありそうです。
. - 社会保険と職業技能訓練を受ける権利
企業としては結構な金額の社会保険を負担していると思います。
ただ、都市戸籍と農村戸籍の明確な区別が不条理を
もたらしている分野がありそうですね。
色々な意味で、勿論、職業技能訓練も必要です。
企業サイドからは、仕事をしてゆく過程で訓練され、
技能が高まってゆくことを考慮しますと、
若い社員の定着率を上げることも重要な検討事項となりそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿