中国のモーターショウが隆盛してきたせいで、東京モーターショウにイタリーやドイツの有名自動車メイカーが参加せずに悲惨な状態になっていると報道されていますが、それが恰も日本の自動車産業が落ちぶれてきた、あるいは、落ちぶれてゆくことを示唆しているかのような印象を与えています…
だからニュースになっているのですが。
東京モーターショウにおける現象は、当然だとも言えます。
中国の道路では、世界で名の知れたあらゆる自動車が走っている状況です…
日本では見かけられない、保有している方がいるかいないかも分からない高級車も普通に走っています。いわゆる、外車だらけなのです。
中国の自動車市場は、今では世界で一番大きいです。
しかも、走っている高級車を至る所で普通に見かけられるという幅が広くて、ピラミッド型ではない(?)市場です。
他方、日本の自動車市場では、
日本に来た中国人が驚くことの一つでもありまように、道路を走っている車の殆どが日本メーカーのものです。
自動車の日本市場の歴史を知らない方が見れば、それは今でも閉鎖的な市場と映るかもしれません。
閉鎖的でなかったとは言えませんが…
日本の自動車需要が減ってきている原因は、日本の若者たちの人口が減ってきているというだけではなく、自動車とは違ったものに興味をもつ若者たちが増えてきたという現象のようです。
しかし、そのような現象がなくとも、人口が日本の10倍以上もある巨大な中国市場に日本の自動車メーカーを含む世界の自動車メーカーが注力してゆくことは自明の理であり、それに対して競争意識を持とうとするなら異常心理とも言えます。
それよりも、日本が市場の需要構造と産業構造を多様化させてゆき、世界の国々に対して将来の指針となるような独自の展開を企画してゆくべきでしょう。
確かにグローバル化の進展には各国における産業の多様性の縮小が伴い、日本だけが蚊帳の外というわけにもゆかないでしょう。
しかし、それは既存の産業においてのことであり、新規に芽生えてくる産業の多様性には影響しません。
日本は、新規産業の創造に国を挙げて注力してゆく必要があるでしょう。
日本には、それを達成するための人的資源は豊富にあると、私は信じています。
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