小沢一郎の発想と理念 - 一般的に知られていること

12/12/2009

政治

八重に咲いた紅い乙女椿
清楚で可憐な魅力に満ちたと言われる乙女椿
名前の由来は諸説あり、その中の一つは
実を結ばないので婚姻前の乙女を連想させる
というものです

小沢の政治理念

小沢一郎は、マスコミ・学者・評論家等に、理念がない、政策がない、政局だけの政治家だと決め付けられるケースが珍しくありません。

彼らは何も知らずに編集者の言いなりに書かされていることが分かります(笑)

しかし、多少なりとも彼に興味をもったことのある方なら、そのような人物評を臆面もなく行う有識者達は、如何に破廉恥な輩であるか分かっている筈です。

彼ほど一貫して政治理念・政策に拘り続けている政治家はおりません。

(彼が書いてきた出版物などや自由党時代の11法案および民主党代表時代の「共生」等をちょっとでも目を通せば分かります= 賛同するしないは別次元の話です)

今日は、小沢批判を続けていた森田実という政治評論家が書いた本『「小沢一郎」入門』(三笠書房)の中に、小沢一郎が民主党の代表だった時に森田氏が行ったインタビューの内容が分かりやすく書かれてましたので、それを抜粋要約してご紹介します。

特別なものではなく、その殆どが以前から知られている内容です。

【小沢の外交基軸】

日米中の正三角形外交の展開。 日本と米国と中国の政治家同士が本音で話し合える状況をつくる。

【小沢の目指す社会・国】

小沢はまず日本社会、日本人の心の荒廃を憂える。
「共生」の理念を前提とし、一部の勝ち組だけが得をする社会ではなく、黙々と働く人、努力する人、正直者が報われる公正な社会、国を目指す。
小沢は「地方の雇用創出」「農業」「教育」を手がけたいと抱負を語っている。
これは1987年の私(森田実)のインタビューで答えていることだ。
小沢は20年の間、少しもぶれない政治家である。(森田評)

【小沢の靖国観】

小沢の靖国観は分祀である。
第二次世界大戦当時の国家指導者達およびマスコミは、日本国民に対して戦争に駆り立て指導した責任がある。
東条英機に代表される指導者達は捕虜になるぐらいなら死ね(生きて虜囚の辱めを受けず)と特攻や自決を強要した。
沖縄などでは多くの民間人までもが自決している。
その戦争責任を負うべき張本人達は自決もせずに裁判を受けた。
小沢は、彼等は英霊に値しないと断じている。

【小沢が国民に求める意識】

「自分たちの手で自分たちの日本をつくる」
民主国家において主権は国民にある。
主権の最大の行使の場は「選挙」である。

【小沢の憂い】

  • 日本人の心、精神の荒廃←現状不満将来不安、身勝手な競争→日本社会の豊かさや平穏さを砂上の楼閣にしつつある。
    .
  •  日本の政治的・経済的危機
    (1)地方自治体の破綻・疲弊
    (2)米国も経済的不安定要因が大きくなってきた。
    中国の政治・経済両面の不安定要因が表面化すると、極東地域は現在の中東以上に困難な状況に陥るだろう。
    日本経済全体は現在、このような米国と中国の動向に大きく影響されている。

【大切なことは国民自身が立ち上がること】

「自分自身の手で日本をつくる」という民主主義の意識をもつことが大切。
国民に不平・不安を抱かせる間違った政治の下では、金持ちやゆとりのある人達は痛くも痒くもない。
しかし、その他大勢の国民は被害を被ることになる。
これを是正する、変えるために国民一人ひとりが行動を起こすべきだ。

【自由と平等】

「自由」と「平等」は調和可能。
それを行うのが政治であり、非常に重要な課題。
平等社会は日本古来の風土であったが、急速な近代化のなかで平等を維持するためには「規制」手段を強化する以外に方法がなく、必然的に官僚統制にならざるを得なかった。
順調に成長が続いた時代は、「配分の平等」もうまくゆき官僚支配の問題も表面化することがなかった。
しかし、歴史の転換点である「冷戦」の終結とともに、各国の利害が直接ぶつかり合う時代がはじまり、日本にも大きな影響をもたらした。
  • 国のあり方、仕組みなどを日本が自分自身で新たに決める必要性
  • 平等社会を官僚が統制するシステムの弊害が表面化し、社会の各方面から不満・不安が出てきた
大変化の時代に入り、「平等」だけでは日本はやってゆけなくなった。
「自由競争」と「平等」の共存 = 政治の最(?)重要課題
○日本的な平等のシステム=セーフティネットの再構築(もう少し洗練されたもの)
○日本人の不十分な自立性と主体性
⇒ 市場原理主義的自由競争に対して不適合
⇒自由競争の原理を導入する範囲を一定以上の地位の人々に限定する。

日本古来の平等を旨とする哲学と、欧米流の合理性・論理性を追求する自由競争との共存の志向。

【真のリーダーの育成】

欧米のリーダーは日本人より、必死になって朝から晩まで徹底して考え、身を粉にして働いている。それだけの知識と才能と見識を持っている。
そのようなリーダーこそ、今の日本社会には必要⇒官庁・民間の一定以上の管理職に自由競争の原理を導入し、徹底的に競わせる。

【民主党がなすべきこと】

基本政策の確立 ⇐ まだ日本的な曖昧さを引きずっており、色々な基本問題について明確な結論を出していない。
世界・アジアの中の日本の位置づけと考え方(戦略)の確立が必要⇒ 基本政策なくして枝葉の部分だけいじっても意味がない。

前原元代表の「対案主義」は、それ自体は悪いことではない。
しかし、役人の出してきた原案をベースにして言葉を少し変えたり手直ししているだけでは、官僚の掌の上で転がされているということになる。
「原案より少しはいいだろう」では民主党の存在理由がない。
国民は民主党に自民党の亜流を期待しているのではない。
選挙運動というものはつらい。
選挙運動をしなくていいのなら、国会議員ほどいい職業はない。
しかし、それでは政権は取れない。

今、国家・国民のために全力で働く政治家が必要とされている。

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